匿名ネットワーク:Tor・Freenet・I2Pの比較

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匿名ネットワークとは

インターネットの黎明期から、匿名性の確保は技術者や活動家の間で重要なテーマでした。検閲を回避し自由な情報交換を実現するための技術として、匿名ネットワークが幾度となく開発されてきました。

その中でも、Tor、Freenet、I2Pは非常に代表的な匿名ネットワークを利用する手段です。

今回はこの3つの有名な匿名ネットワークを提供するソフトウェアについて解説・比較してきます。

特徴

Tor

Tor(The Onion Router)は、オンライン上での匿名性を目的としたネットワークです。送信するデータを何度も暗号化して包み込み、世界中のボランティアが運営する複数ノードを中継することで通信経路を秘匿化します(オニオンルーティングと呼ばれます)。

また、Hidden Service(オニオンサービス)と呼ばれる、Torネットワーク内のみでアクセス可能な匿名ウェブサイトを構築する機能を備えています。

Freenet

Freenetは、中央集権型のサーバを持たない分散型P2P匿名ネットワークです。検閲耐性の高い自由な情報共有の実現を設計思想としています。

一般的なインターネットへのアクセスは行えず、ユーザが要求したコンテンツを持つ可能性のあるノードをネットワーク内から探索します。

I2P

I2P(The Invisible Internet Project)は、匿名での通信とネットワーク内での匿名サービスに特化したネットワークです。トンネルと呼ばれる一方向の匿名通信路の組み合わせでデータ転送をします(ガーリックルーティングと呼ばれます)。

また、eepSitesと呼ばれるI2Pネットワーク内のみでアクセス可能な匿名ウェブサイトなどを構築する機能を備えています。

比較

それぞれのソフトの特徴などを比較しました。

特徴TorFreenetI2P
匿名性の焦点送信元/送信先の関係コンテンツの匿名公開とアクセス送信元/送信先の関係
匿名性の実現方法オニオンルーティング (複数ノード経由、多層暗号化)分散ハッシュテーブル (DHT) ベースの探索的ルーティングガーリックルーティング (トンネル経由、複数メッセージ暗号化)
速度遅い (複数ホップ)変動大 (ネットワーク状況、データ可用性依存)Torより高速な場合もあるが変動あり
使いやすさTor Browserで容易専用ソフト必要、設定やや複雑専用ルーターソフト必要、設定・概念理解に時間要
主な用途匿名Webブラウジング、検閲回避、Hidden Service匿名ファイル共有、検閲耐性コンテンツ公開匿名Web (eepSites)、ファイル共有、チャット等内部サービス、匿名Webブラウジング(おまけ程度)
出口ノードの脆弱性監視リスクあり (HTTPS推奨)なし明確な出口ノードはないが終端でのリスクは考慮が必要
導入のしやすさ非常に容易やや手間がかかるやや手間がかかる

度の匿名ネットワークを選択するかは、ユーザの利用目的や利用環境、何を重視するかによって異なります。

例えば、匿名でWebを閲覧するのであればTor、中国などの強力な検閲を回避してファイルを共有するならFreenet、内部ネットワークの匿名性に重点を置くならI2Pが適していると思います。

これらの匿名ネットワークは完ぺきな匿名性を提供するわけではありません。利用する際には、それぞれの特性とリスクを理解して適切な対策を講じる必要があります。

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